慢性疾患の診療連携の重要性につい

                      山梨大医学部地域医療学講座准教授 柏木 賢治


  最近、慢性疾患を持っている患者さんの数が増加しています。

慢性疾患とは糖尿病や高血圧に代表される長期間にわたって治療が必要な病気の総称で、ほとんどすべての病気の分野に存在します。慢性疾患を持つ人は高齢者ほど多いため、日本も含め世界中で人口の高齢化が進んでいる現代では慢性疾患を持っている人の数はどんどん増えています。

慢性疾患にはいつくかの特徴があります。
1)多くは中年期に発病し一生涯治療を続けなければならない
2)自覚症状が乏しく、治療効果が感じられにくいため治療を受けていない患者さんや治療を   中断する患者さんが多い
3)いったん進行すると治りにくいなどです。

高齢化に従って増加し続ける慢性疾患患者に対し、高度な専門知識を持った専門医は不足しています。したがって、慢性疾患を持つ患者さんが適切な医療を受けるためには、地元の病院の医師と専門医が連携して診療を行うことが重要です。
国も診療連携の重要性を認め、さまざまな対策を取っていますが未だ不十分です。

我々は慢性疾患の診療を支援するために慢性疾患診療支援システム研究会を3年ほど前の2005年に立ち上げました。ここでは、診療連携を促進するために最近非常に発達が目覚ましい情報通信技術を積極的に活用して安価で効率的なシステム(慢性疾患診療支援システム)作りを進めています。

具体的にはインターネットを用い診療情報を診療機関はもとより患者さん本人や診療に携わる皆さんで共有しようというものです。しかしながら、すべての診療情報を共有するのは色々な問題があるためこのシステムでは慢性疾患を診療する上で最も重要な項目のみに連携する項目を絞り共有しています。インターネットを用いたシステムの場合、これまでの診療連携システムに比べかなり安価に診療情報を共有出来るというメリットがあります。もちろん個人情報を扱うのでセキュリテイーには十分配慮しております。

すでに山梨大学を中心に代表的な慢性疾患である糖尿病や慢性肝炎、緑内障などの患者さんにこのシステムに参加していただき日々の診療に利用しております。また今後難聴や薬剤情報の共有などその範囲を進めていく予定です。

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