特定非営利活動法人
慢性疾患診療支援システム システム研究会
Association for Research in Supporting System of Chronic Diseases

慢性疾患診療に関するFAQ



慢性疾患診療に関するFAQ

患者様から頂いた、慢性疾患診療に関するご相談やご質問を集めました。
各質問をクリックすると、医師による回答を見ることができます。
症状や体質など個人差がありますので、こちらの記事はあくまで参考情報としてお使いください。


慢性肝炎に関する質問


糖尿病に関する質問


難聴に関する質問


緑内障に関する質問


薬剤に関する質問





慢性疾患診療に関する回答

慢性肝炎に関する回答

Q1 自己免疫性肝炎は治る見込みがありますか?発症の原因はなんですか?発症してから死亡までの期間はどのくらいですか?死亡率はどのくらいですか?
A1 自己免疫性肝炎は、原因不明の疾患で、自分の体を攻撃してしまう「自己免疫」の機序が推定されています。適切な治療がなされれば予後は良いとされていますが、急性肝炎様の発症をした場合には劇症化するものもあり予後は不良です。死因は急性肝不全、肝硬変や感染症ですが、発症してから死亡までの期間やそれぞれの病態により異なります。

糖尿病に関する回答

Q1 ヘモグロビンAIC6.0 グリコ120と糖尿病は改善に向かったが、クレアチン1.3と1.6範囲内のため、薬と食事の対応法をご指導願いたい。
A1 糖尿病をコントロールする目的は、合併症を予防あるいは増悪を阻止することにあります。合併症には、①腎症(腎臓の障害)、②網膜症(眼の障害)、③神経障害、④大血管障害(脳卒中、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など)があります。腎障害は、1期から5期に病期が分けられています。
1期:臨床症状はありませんが、顕微鏡レベルでは腎臓組織に障害が始まっている状態
2期:尿タンパクの試験紙では、尿にタンパクが検出できないのですが、微量アルブミンを測定する検査方法では、微量な尿タンパクが検出できる病期
3期:尿タンパクの試験紙にて尿タンパクが検出できる病期。腎臓の機能の低下も始まります。
4期:腎臓の機能が低下して、クレアチニン値が上昇し(一般的に2以上)、いわゆる慢性腎不全の状態になっている病期
5期:慢性腎不全が進行し、透析が必要になっている病期

4期に至ってしまうと透析を回避することは難しく、進行を遅らせる治療になってしまいますため、1期から3期の段階にて十分糖尿病をコントロールすることが必要です。

ご質問のクレアチニンが1.3から1.6の状態は、上記の3期に相当します。腎障害を進行させないためには、糖尿病のコントロールを良い状態にしておくことは言うまでもありませんが、その他に、血圧のコントロール(収縮帰結圧125以下、拡張期血圧75以下)、食事でのタンパク制限、塩分制限も重要です。
Q2 糖尿病は遺伝するのでしょうか?また完治するのでしょうか?
A2 糖尿病の中には遺伝子の異常の有無のみで発症するかどうかが決まってしまう糖尿病もあり、その場合はある一定の確率で子孫に遺伝してしまいます。しかし、ほとんどの場合、遺伝だけで糖尿病になるわけではありません。しかし、糖尿病になりやすい体質は多数の遺伝子の個人差の集まりにより決められていると考えられています。そのため、親が糖尿病を持っていると子供も糖尿病になりやすい傾向があることが多くなります。

糖尿病の発症にはもう一つ重要な原因に食習慣や生活習慣といった環境因子があげられます。こちらは、自分の注意により改善することが可能であるため、親が糖尿病であり、たとえ自分が糖尿病になりやすい体質を持っていたとしても、食習慣や生活習慣の改善により糖尿病の発症や進行を止めることができます、また、子供は親の食習慣や生活習慣の影響を受け、またそれを模倣して育っていくため、それらの環境因子もあたかも遺伝する様に受け継がれていくことになり、遺伝の要素が濃い印象を受けることがあります。

したがって、一部の例外(1型糖尿病など)を除いて、糖尿病の原因の一部である環境因子を取り除くことにより、糖尿病を治癒させることも可能ですが、糖尿病になりやすい体質は遺伝により決められていることが多く、食事や生活習慣に問題が多くなると糖尿病は再発してくることになります。糖尿病が良くなってきても、完治したとは思わず、糖尿病はどこかで隙をうかがっていると考え、生活上の注意を怠らないことが肝要です。
Q3 糖尿病を治療中ですが、肝臓が悪くなってきたと主治医から言われました。どのようなことに注意したらよいでしょうか?また肝臓の治療になるようなお薬はありますでしょうか?
A3 肝臓の病気と糖尿病は非常に深い関係にあります。肝臓が障害されるとそれが原因で糖尿病が発症したり増悪したりすることがあり、また逆に糖尿病が悪化すると肝臓の病気も悪化します。したがって、肝臓の障害を治療することは糖尿病にとっても非常に重要になります。肝臓病には、B型肝炎やC型肝炎といったウイルス性肝炎も非常に多いのですが、特に糖尿病と関係が深い肝臓病は脂肪肝です。

脂肪肝にはアルコール性と非アルコール性があります。アルコールの多飲は、脂肪肝やアルコール性肝炎を引き起こし、それでも禁酒できないと肝硬変に至り、生命に危険が及ぶことになります。また、糖尿病の増悪や中性脂肪の上昇を来たし、動脈硬化などを引き起こしてしまいます。既に脂肪肝や肝炎・肝硬変などの肝臓の障害をきたしている場合は禁酒が必要です。また、肝臓の障害が起こっていない糖尿病の患者さんも、過量のアルコールは禁物です。もし糖尿病のコントロールが良い場合は、日本酒で1合未満の量にとどめてください。糖尿病のコントロールが悪い場合はやはり禁酒が必要です。

一方、アルコールを飲んでいないのに脂肪肝になってしまう場合があり、これを非アルコール性脂肪肝といいます。これは通常それほど重症になることはないのですが、このうち約1割の患者さんにNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)という病気がみられることが分かっています。NASHは肝硬変になっていくことがあり、肝臓癌の原因ともなります。通常の診断の上で、非アルコール性脂肪肝とNASHを区別することは非常に難しいのが現状ですので、肝障害が合併してきた場合は注意が必要です。これらは、糖尿病や肥満、高脂血症などに合併することが多く、食事の摂りすぎや運動不足といった悪い生活習慣が原因となり発症します。

治療法ですが、ウイルス性肝炎などの他の肝臓病では薬物治療が必要となりますが、糖尿病に合併しやすい脂肪肝に対しては、薬物療法は通常は行いません。アルコール性脂肪肝では禁酒が最も有効な治療法であり、非アルコール性脂肪肝やNASHに対しては生活習慣の改善や糖尿病などのコントロールが最も有効です。

難聴に関する回答

Q1 小5の子供が左耳に感音性難聴です。代謝をよくするためにということで「アデホスコーワ腸溶錠20」と「メチコバール錠500ug」を処方していただいております。ビタミン剤で即効性はないとのことですが、飲み続けることによって効果はどうでしょうか?血行不良でなったのであれば?と両耳をグリグリマッサージしております。
A1 一般的には感音性難聴は急性期を過ぎてしまうと聴力の改善は困難な場合がほとんどです。原因は骨の中にある内耳という部分にあると思われますのでマッサージの直接的な効果はあまり期待できないと思います。
Q2 最近他人の言っている内容を聞き取れないことがあります。難聴の度合いをお伺いしたい。数値で表せるものでしょうか?
A2 難聴は種々の検査で程度を調べることが出来ます。代表的な純音聴力検査では数字で聴力の程度を示すことが出来ます。
Q3 視力回復(例えば遠くを見るとか)方法がありますが、原因不明で難聴になった場合、何か手の施しようがないみたいに言われてしまいます。音楽療法など聞いたことがありますが、耳つぼを刺激するとか、クラッシックを聴くとか色々あるので、できることは試してみたいのですが、いかがでしょうか?自立神経失調症も関係あるのでしょうか?
A3 難聴の場合は訓練で聴力が良くなるような方法はこれと言ってありません。中耳炎のような伝音性難聴では手術で改善する場合があります。突発性難聴のような感音性難聴では、急性期に薬物治療での改善が期待されますが、年齢による聴力障害や原因不明の難聴で発症から時間が経ってしまったものでは聴力の改善はあまり期待できません。これらの中には補聴器の装用が効果的な場合もあります。
自律神経の異常が難聴の発症に関係する可能性も報告はされていますが、あまりはっきりしていません。

緑内障に関する回答

Q1 緑内障は不治の病でしょうか?
A1 現在の医学では、緑内障で失われた機能は改善することは出来ませんが、進行を停めることは可能です。医師の指示に従って、きちんと診療を続けることで多くの場合失明を免れますし、日常の生活も不自由なく送ることが出来ます。
Q2 緑内障は遺伝するのでしょうか?
A2 現在緑内障に関連する遺伝子がいくつか発見されており、一部の方に遺伝する場合がありますが、多くは明らかな遺伝性はありません。ですが直系で2代続けて緑内障の方がいたら遺伝性の可能性があると考える必要があります。
Q3 眼圧が上がる原因はなんでしょうか?
A3 原因なく上昇する場合(原発性)は、眼の中で組織に栄養を送ったり、老廃物を眼の外へ排出する役割を持つ液体(眼房水)の排出路が、徐々もしくは急激に詰まるために起こると考えられています。そのほか、怪我や眼の中の炎症が原因で眼房水の排出が低下して起こる場合もあります。
Q4 正常眼圧緑内障と診断されました。緑内障は眼圧が上がるために起こる病気ではないのでしょうか?正常眼圧緑内障ってどんな緑内障なのでしょうか?
A4 眼圧が上がらなくても緑内障になることがあります。日本人では最も多いタイプの緑内障です。一般には眼に負担にならないような眼圧でも、その方にとっては負担となるため発症すると考えられています。たとえて言えば頑強な方にとっては10キログラムの荷物を持って1キロ歩くことはたいした問題になりませんが、体力のないお年寄りにとっては、非常に負担となります。この荷物が眼圧と考えてください。
Q5 緑内障になりやすい人はどんな人でしょうか?
A5 緑内障には、一般的に徐々に進行することが多い隅角開放型と、急激に発症しやすい閉塞隅角型があり、なり易い条件は2つのタイプで異なります。
開放型の場合は、なり易い条件として
・眼圧が高い
・高齢者
・近視が強い
・家族に緑内障の方がいる

閉塞型の場合は、
・高齢者
・女性
・遠視(若い頃から目がよくて眼鏡が不要、遠視が強い)

Q6 緑内障を起こす原因は何ですか?
A6 一番深く関係する要因は眼圧です。
その他に以下のようなものが考えられていますが、現時点では眼圧が唯一立証された原因で、その他の要因はまだ十分な裏付け証拠が不足しています。
・血液循環
・視神経(乳頭部)の特徴的な形態
・遺伝(一部の方には関与が大きい)
・その他(免疫など)
Q7 健診で異常を指摘されました。自覚症状はありませんが、通院する必要があるでしょうか?
A7 緑内障は自覚症状が出にくい病気ですが、元に戻すことができませんので、自覚症状が出る前から、きちんと眼科医の管理を受ける必要があります。
Q8 眼圧があがった時には自覚症状がありますか?
A8 急性緑内障の発作などの特殊な場合を除くと、眼圧の変化に気づくことはまずありません。
Q9 緑内障になりやすいので、レーザー光線の治療を受けた方がいいといわれました。
A9 レーザー治療は緑内障の治療としてしばしば行なわれます。閉塞隅角緑内障(急激に眼圧が上昇しやすいタイプ)を起こしやすい方の場合は予防的治療としてレーザー治療を行うことがあります。今回の質問はこれに該当すると考えられます。有効にレーザー治療が行なわれると緑内障にならずにすむ場合があります。
Q10 緑内障の治療方針について教えてください。
A10 現在最も緑内障の進行に重要な要因は眼圧です。したがって、眼圧を下げることが最も有効な治療法になります。
Q11 正常眼圧緑内障です。眼圧は正常なのに眼圧を下げる治療が必要なのでしょうか?また眼圧をどこまで下げる必要があるのでしょうか?
A11 同じ眼圧でも眼に対する負担は個人差があります。正常眼圧緑内障でも眼圧を下げることが最も有効な治療法として証明されています。
Q12 緑内障と言われていますが、まだ治療を受けていません。大丈夫でしょうか?
A12 進行には個人差があります。しっかりと各人の病気の状態を把握してから治療を開始したほうが患者さんにとって利益になります。
Q13 眼圧を下げる治療を受けていますが、進行しているようです。眼圧を下げること以外の治療法はないのでしょうか?
A13 ・血流の改善
・神経栄養剤
基本的には眼圧下降治療の補助療法です。しっかりとした有効性の研究が不足しています。
Q14 緑内障の薬を長期間続けていても大丈夫でしょうか?
A14 副作用の全くない薬はありませんが、複数の治療法が選択できますので、重大な副作用を起こさずに治療できる方がほとんどです。
Q15 目薬をつけていたら眼にしみたり、違和感がある。続ける必要がありますか?
A15 現在多種類の目薬があります。また手術やレーザー治療も選択できます。ご自身にあった治療法を主治医と相談する必要があります。問題点を主治医に積極的に話しましょう。
Q16 点眼薬の正しい使い方を教えてください。
A16 <点眼回数は>
指定された回数を増やしても、効果は上がらず、副作用の可能性が高まります。

<点眼時間は>
出来るだけ毎日同じ時間帯に点眼することが理想ですが、多少のずれはOKです。

<点眼間隔は>
5分以上の間隔がベターです。

<副作用を避けるための対策は>
薬を付け始めて不安に思うことや、いつもと違うことがあった場合、またこれまで合わない薬などがあったら医師や薬剤師にしっかり伝えましょう。
他人と点眼薬を共用しないようにしましょう。感染を起こたり思わぬトラブルを起すことがあります。
使用期限を守りましょう。一般的には開封後は1ヶ月以内に使用するようになっています。
Q17 薬や一部の検査で、緑内障の方は注意が必要と言われることがありますが、私は該当しますか?
A17 閉塞隅角型の緑内障で未治療の方は緑内障の発作を誘発することがありますので、注意が必要です。すべての緑内障の方でステロイドは眼圧を上昇させることがありますので使用には注意が必要です。
Q18 緑内障の手術の結果、返って見づらくなりました。手術は失敗したのでしょうか?
A18 緑内障の手術は良く見えるようになるために行うのではなく、現状を維持するために行うものです。手術の結果、乱視が出たり、白内障が進んでしまうこともあります。必要性と結果に関し、よく納得してから手術を受ける必要があります。
Q19 緑内障があると白内障の手術が受けられないといわれました。
A19 緑内障があっても白内障の手術は可能です。ただし、将来緑内障に対しても手術を行う可能性があるので、そのことを考慮に入れて手術を行う必要があります。
Q20 緑内障の手術は1回で済みますか?
A20 緑内障の手術は眼圧を下げるために行なうもので、目標とする眼圧値が得られない場合は、点眼薬を追加したり、またそれでも達成できないときは再手術を行なうこともあります。緑内障が進行しないために、手術や点眼薬、レーザー治療などを組み合わせて治療計画を立てます。
Q21 緑内障の手術後の注意点は何ですか?
A21 現在最も多く行なわれている緑内障手術は線維柱帯切除術という手術で、これは眼房水が眼の外に良く流れて眼圧が下がるように新しい眼房水の排出路(バイパス)を作るものです。この手術の場合、術後の感染が最も重大な問題です。術後長期間たっても感染の可能性がありますので、注意が必要です。細かな注意点は主治医にご相談下さい。
Q22 緑内障になったら日常の生活で気をつけることはなんですか?
A22 <姿勢>
開放隅角型の場合はそれほど気にすることはありませんが、隅角閉塞型の場合は暗い部屋でうつ伏せの姿勢を長く続けることは避けたほうがよいです。

<食べ物>
・刺激物は避ける。
・コーヒーはOKです。
・急激に大量の水を飲むのは避ける。

<運動>
軽く汗をかく程度の運動は緑内障にとってはプラスに作用します。適度な運動を行ないましょう。

<生活習慣>
ストレスを避けること、規則正しい生活習慣を守ることが重要です。

<通院>
緑内障は、自覚症状が出にくい病気です。進行がゆっくりのため進行したことに気付きにくいです。自覚症状に任せず、診療機関を受診するようにしましょう。
Q23 緑内障研究はどこまで進んでいますか?
A23 新しい点眼薬が次々と登場してきます。治療の選択肢が増えてくることが期待されています。

緑内障研究が進みにくい原因のひとつに、よい実験モデルがなかったことがあげられますが、最近は新しい実験モデルが開発され、研究が進むことが期待されています。

現在の治療はもっぱら眼圧を下げることですが、今後眼圧以外の治療法に関しては、近いうちに実用化することが期待されています。

現在の医学では失われた機能は回復しませんが、再生医療や人工眼の開発が進んでいます。これらが将来実用化されると、失われた機能が回復されることが期待されます。

薬剤に関する回答

Q1 私は緑内障です。3年前に手術しましたが、左目はまだキサラタン一日一回点眼しています。風邪薬の咳止め、鼻水止め、いろいろな薬に緑内障の方は医師に相談…と書いてありますが。 
A1 緑内障にはいくつかのタイプがあります。どのタイプの緑内障と診断されているのか、まずは主治医に確認してみてください。
医療用の医薬品だけでなく、大衆薬の中にも緑内障の方には注意を喚起する文章が書かれていることが少なくありません。緑内障に使用してはいけない薬の多くは「抗コリン作用(副交感神経の末端に信号が伝達しなくなる)」をもつ薬で、瞳孔括約筋が緩み、散瞳(瞳孔が広がる)しやすくなります。散瞳すると房水の通り道である隅角が狭くなり、房水が流れにくくなることで眼圧が上がることが問題となります。散瞳しては困る緑内障は、レーザー虹彩切開術を行っていない閉塞隅角緑内障など、ほんの一部です。日本人の大部分を占める原発開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障では、抗コリン作用を持つ薬で眼圧が急に上がることは考えにくく、それらの薬を使用してはいけない、ということはありません。
Q2 緑内障内です。数年にわたり同一の飲み薬(メチコバール500)を服用しているので、副作用はどうか。他のどの薬と併用するとよくないのか。
A2 メチコバールは、メコバラミンというビタミンB12の補酵素型で、末梢性神経障害に対して使用される薬です。傷ついた末梢の神経を修復し、しびれや痛みなどを軽減します。味覚障害や臭覚障害、めまい、耳鳴り、難聴、眼疾患、腰痛、筋肉痛など各診療科で神経の働きを助けるのに応用されることがあります。副作用の心配はほとんどありません。まれに胃の不快感や食欲が落ちることがありますが、その場合は医師に相談してください。水に溶けやすい性質を持っており、取りすぎたとしてもすぐに尿と一緒に身体の外に出るため、溜まることはありません。
一緒に飲んではいけない薬や、併用すると効果が変わるという薬はありません。長い期間服用することで問題になることもありません。
Q3 ヘモグロビンAIC6.0 グリコ120と糖尿病は改善に向かったが、クレアチン1.3と1.6範囲内のため、薬と食事の対応法ご指導願いたい。
A3 糖尿病と診断され、血液中のクレアチニン(クレアチンではなくクレアチニンでしょうか。この二つは異なります。)が正常範囲よりも高い場合は、腎臓の機能が低下していることが考えられます。低下の状態によって、腎臓に負担をかけない食事を摂ったり、腎臓の機能を守る薬を使用していきます。薬の中には腎臓の機能に負担をかけるものがありますので、そのような薬は使用しないようにします。
しかし、食事内容や薬の種類はHbA1cとクレアチニンだけでは具体的に決められません。総合的に現在の病気の状態を把握して治療方針が決まりますので、まずは主治医と相談してみましょう。主治医からの指示で管理栄養士が直接お話をすることも出来ますし、薬局で現在出してもらっている薬のことを薬剤師に詳しく相談してみるのも良いでしょう。
Q4 糖尿病の患者として、2ヶ月毎定期健診を続けていますが、今回8月17日の検査でALT(GPT)51、γ-GTPの値が269、TG-283の高い値を示し、担当医からアルコールをなるべく少なくするよう心がけてくださいと注意されました。尚、薬は4種①アテレック錠②リバロ錠③フルイトラン④ニューロタン錠を毎日服用しています。アルコールはなるべく慎みますが、お薬で肝臓の治療になるような処方はあるでしょうか?(虫のいい願望かな?)
A4 肝臓の働きを助ける薬はあります。でも、アルコールで悪くなった肝臓は、始めのうちは薬を使って治療することはありません。悪くなった原因がわかっていてそれを解消すれば改善する場合は、その原因を取り除くことが治療となります。お酒を止めるだけで肝臓の機能が正常に戻るのであれば、それに超したことはありません。
肝臓は人の身体の中で非常に多くの働きを持っている臓器です。沈黙の臓器と呼ばれ、比較的強く、ある程度のところまで一生懸命働いてくれますが、担当医の助言に耳を貸さず、徐々に悪化して取り返しのつかない肝臓になってしまう方も少なくありません。人の身体はそれぞれの臓器の働きが上手く調和されて正常を保っています。アルコールが良くないのは、肝臓に対してだけでなく、徐々に他の臓器にも影響してくることです。脂肪肝から高脂血症、高血圧、糖尿病・・・と進んでしまうことも多くあります。もともと糖尿病にかかっている方は、肝臓は血液中の糖分や脂肪の流れも調整してくれていますから、血糖値の変動等も心配です。
また、最近厚生労働省は、アルコールの量が同じであっても休肝日がある人と少ない(ない)人では心臓や脳の血管への影響が少ないことを発表しました。量が少ないことが原則ですが、さらに飲まない日を多く作ることも重要という結果です。是非、たまに飲める日があればそれを十分満喫するように、普段はお酒以外の楽しみも色々と見つけてください。
Q5 小5の子供が左耳に感音性難聴です。代謝をよくするためにということで「アデホスコーワ腸溶錠20」と「メチコバール錠500ug」を処方していただいております。ビタミン剤で即効性はないとのことですが、飲み続けることによって効果はどうでしょうか?
A5 メチコバール錠については上記の質問の回答をご参照ください。
アデホスコーワ腸溶錠については、脳をはじめ、内耳、心臓、胃などいろいろ臓器の血流量を増やし、エネルギー代謝を活発にします。そのような作用から、広範な適応を持ち、各科で広く用いられています。処方頻度がわりと多いのは、メニエール病など、めまいや耳鳴りを伴う内耳障害に対してです。頭部外傷後遺症による頭痛や頭重感、めまいにも効果が期待できます。そのほか、心不全、眼精疲労、慢性胃炎などに対する適応もあります。副作用の心配はほとんどありません。まれに胃の不快感や食欲が落ちることがありますが、その場合は医師に相談してください。長期に服用することで副作用が問題になることはありません。

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