20111017
第8回健康を考える市民公開講座報告書
今年は「健康情報の危機管理」を目的に、テーマを「どう守る?あなたの健康“東日本大震災で見えたもの”」としマイ健康レコード利用者の会との共催で開催いたしました
これまで市民公開講座は甲府市で開催しておりましたが各地の地域住民の方々に健康管理の重要性のより理解していただくことを目的に、今年は甲斐市のご協力を得て、敷島総合文化会館にて開催いたしました。当日は保坂武甲斐市長に来賓としてご臨席いただき、甲斐市住民の方をはじめ、112名の皆さんが市民公開講座にご参加くださいました。
第一部のパネルディスカッションでは、東日本大震災で医療情報を失い、混乱した被災地の医療現場の話を、現地宮城県の医師をはじめ、実際に現地救援活動に赴いた医療者にご報告いただきながら、当地山梨の医師やマスコミ関係者も含めて「健康情報の危機管理」の必要性に関して積極的な意見交換が行われました。参加者からは「実際の現場のリアルなお話を聞き、健康情報の危機管理について深く考える機会となった」などのご感想もいただき、大変有意義なディスカッションとなりました。
続いて第二部では、甲状腺専門医で、藻類による放射性物質除去を実証され話題となりました山梨大学医学部内科学講座第3教室の志村浩己先生による「放射能汚染、健康を守るために知っておくべきこと」の特別講演が行われ、情報が錯綜し不安と混乱の放射能問題を、臨床医の立場から非常に分かりやすくお話いただき、参加者の皆さんに大変ご好評をいただきました。
また、第三部の参加者交流会では、患者同士、又は患者と医療関係者の忌憚のない意見交換が行われ、拍手が沸きあがるほどの盛況ぶりでした。
私どもが進めております診療支援システム「マイ健康レコード」は、診療情報はもちろん家庭での健康情報も蓄積することができる“健康情報バンキング”という特性をもっております。
「この市民公開講座に参加し、健康情報や医療情報の管理システムとして是非このシステムを活用したい。」というご感想もいただき、啓蒙活動として実りある公開講座となりました。 *参加者のご感想
改めまして、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
以下に市民公開講座の内容に関しましてご報告いたしたいと思います。
第8回健康を考える市民公開講座プログラム
日時:平成23年10月2日 日曜日 午後12時開場 1時開始
会場:甲斐市 敷島総合文化会館 2階 大ホール
主催:NPO法人慢性疾患診療支援システム研究会
共催:マイ健康レコード利用者の会
後援:山梨県・甲斐市・山梨県栄養士会・山梨県病院薬剤師会
山梨日日新聞社・NHK甲府放送局・山梨放送・テレビ山梨
エフエム富士・エフエム甲府・甲府CATV
● 開講式 午後1時~1時10分
主催者挨拶: NPO法人慢性疾患診療支援システム研究会理事長
塚原 重雄
来賓挨拶:甲斐市長 保坂 武
● 一部 午後1時10分~2時50分
パネルディスカッション:「災害現場からの報告―失われた医療情報―」
コメンテーター
・ 宮城県眼科医会 加藤 圭一
・ 山梨大学医学部附属病院薬剤部 花輪 和己
・ 危機管理アドバイザー 櫻本 安善
・ 山梨大学医学部附属病院肝疾患センター 坂本 穣
・ NHK甲府放送局 中村 真己
● 二部 午後3時~3時40分
特別講演:「放射能汚染、健康を守るために知っておくべきこと」
講師 山梨大学医学部内科学講座第3教室 志村 浩己
● 三部 午後3時50分~4時45分
参加者交流会
患者と医療関係者(医師、薬剤師、看護師)との交流会
■市民公開講座参加者 112名
■交流会参加者 43名
<パネルディスカッションの様子>
<特別講演の様子>
<交流会の様子>
最後に
慢性疾患診療支援システム研究会では患者数が増加する一方で医師を始めとする医療者が不足している現状を少しでも改善することを目的に、インターネットや携帯電話などを通じて病気の状態や治療に関係する情報を皆で共有し治療に役立てるために“マイ健康レコード“という診療支援システムを運用しています。これまでは医療情報の共有が主でしたがさらに最近では患者やその家族や健康に関心のある方々が自らの健康管理を行うことが可能なシステムも追加いたしました。
これにより全国にも例を見ないユニークな健康支援体制が整いつつあります。本研究会と利用者の会では今後もいろいろな活動を通じて健康で楽しい毎日が過ごせる社会の構築に少しでも貢献出来るよう努力を行う予定です。多くの皆様に本会の趣旨をご理解いただき、ご参加、ご協力を頂けますよう心よりお願い致します。
文責:NPO法人慢性疾患診療支援システム研究会副理事長
柏木 賢治