特定非営利活動法人
慢性疾患診療支援システム システム研究会
Association for Research in Supporting System of Chronic Diseases

マイ健康レコード



難聴診療支援システムのご紹介

耳鼻咽喉科領域の代表的慢性疾患の1つである難聴の診療支援システムに関しご紹介致します。

難聴とは
 聴力には2つのタイプがあります。1つは通常我々が聴いている音(空気の振動)を鼓膜の振動を介して聴く"きこえ"で気導聴力と呼ばれる聴力です。もう1つは頭蓋骨を介して聞こえるもので骨導聴力と言われます。気導聴力のみが低下して骨導聴力が保たれた状態(うまく音が内耳に伝わらない)を伝音難聴、骨導聴力も落ちている状態(音が感じられない)を感音難聴と呼びます。
 難聴と一言でいってもその程度は様々です。軽度であれば多少聞き返しが多くなる程度ですが、両側の耳が中等度の難聴になるとコミュニケーション障害や学習障害を来します。さらに高度な難聴になると大きな声で話しても十分内容を理解できません。現在このような状態の聴覚障害を持つ方が、全国で40万人近くいると考えられています。

難聴の特徴
 難聴とは聴力が低下した状態を言いますがその原因は様々で、中耳炎のように治療により聴力の改善が期待できる難聴もありますが、中には治療しているにもかかわらず進行するもの、めまいなど他の合併症を引き起こすものなどもあり様々です。
 内耳および聴神経は高等な神経のため、多くの場合これらに一度障害を受ける感音難聴は、現在の医療では元に戻すことは出来ません。しかし幸い補聴器という手段もあり聴力の程度をきちんと把握し適切に調整された補聴器を正しく使用することで、コミュニケーションの改善を図ることは可能です。また骨導聴力も急激な悪化を来した場合などには、早期に適切な加療を行うことで失われた聴力の回復が見込まれる場合もあります。日頃から聴力を把握し、残された聴力を大切に使用することが必要です。


難聴治療の重要な点
1. 緩徐な難聴の進行は必ずしも患者自身が自覚するとは限りません。また原因も様々で難聴の型により治療も異なります。耳鼻科医による適切な診断がまず必要です。

2. 多くの難聴は自然に治ることはありませんので、生涯にわたる経過観察、急激な悪化時には早急な治療が必要です。

3. 治療が困難でも、補聴器や人工内耳といった方法で失われた聴力の一部を取り戻す方法があります。

4. 随伴する耳鳴り、めまいなどに関してもそれぞれ症状を軽くする治療法があります。


本システムの特徴
1. 患者様やそのご家族がよく難聴という病気のこと、治療内容、診療経過を理解し積極的に診療に関与できるような診療情報を提供するために、解り易い表示を行っています。

2. 患者様と医療関係者が、難聴を来す様々な疾患の診療に協力できるような場を提供します。

3.病態の変化や加齢に伴い難聴の進行が予測されるため、多くの場合に生涯にわたって、経過観察や治療を続ける必要があります。診療機関や担当医が代わっても適切な診療を可能とすることを目的としています。

4. 小児の難聴の場合、転居、進学等に伴う生活環境の変化に対応して、難聴に関する診療、療育に関する支援の一貫した継続性を保つための診療情報の提供を目的としています。


具体的な掲示内容について
 図は難聴支援システムで最初に見ることが出来るページです。ここには、難聴診療を行うために必要な情報がコンパクトに示されています。
 上の段には、難聴病名、最後に受診した日時と医療機関が示され、次に2つのグラフが示されています。
 上のグラフは難聴診療において最も重要な診療項目である純音聴力気導検査の4分法の値の推移を示すグラフです。聴力の正常範囲は20dB以内ですが、年齢による変化もあり、疾患によっては左右差もありご自身の聴力がどのように推移しているか一目で理解できます。また難聴には高音部のみが障害されたり、逆に低音域中心の障害であったり4分法値だけでは示せない要素がありますが、これは履歴を見ていただくと確認が可能です。
 純音聴力検査の4分法の下のグラフは難聴診療のもう1つの重要な項目である純音聴力骨導検査の4分法値を示したものです。気導検査と同様にその変化を経時的に見ることが出来ます。これらのグラフの縦軸は音圧(単位はdB)で聴こえる音の大きさを示し、数字が大きいほど障害が強い事を示します。したがって、このグラフが右肩上がりの場合、難聴が進行した可能性があります。
 純音聴力検査が施行できない小児の場合は、代わりに条件詮索反射聴力検査(COR)で聴力の変化を見ることができます。
 また、病態の確定や純音聴力検査結果の変化の確認のため各種の精密聴力検査を適時行うことが重要ですが、次の行にある"イベント情報"欄にはいつどのような難聴に関する検査を行ったかが表示されます。ここを見ることで必要な検査が漏れていないかどうか確認することが出来ます。
 投薬がある場合は、その下に帯グラフとして表示されます。過去の投薬の経過と現在使用中の治療内容に関して知ることが出来ますので治療内容の確認に有用です。
 また、補聴器の使用歴や簡単な調整履歴も表示されますので、現在使用中の補聴器の機種やボリュームなどの設定を確認することができます。
 最下段には、使用に注意を要する薬(禁忌薬)、使用中の補聴器の情報、イベント内容の詳細、さらにコメントなどの欄があります。
 さらに、右上のボタンを押すことで診療のより具体的な内容や治療薬の使用歴などを見ることが出来ます。投薬履歴は、過去の使用した薬の一覧が、その他の履歴には検査結果やコメントなどが示されます。


慢性肝炎診療支援システムの画面イメージ



尚、本ページ内の図表の表示方法などは、より適切なプログラムを作成するために、改変されることがあります。


データの管理について

 データ内容に修正や追記がある場合は、診察の際に担当医にお知らせ下さい。もし担当医への連絡が不可能の場合当研究会宛にメールやFAX等でお知らせ下さい。(お電話での問い合わせには応じられません)こちらで確認後、修正追加入力を致します。
尚、ページ内の図表の表示方法などは、より適切なプログラムを作成するために、改変されることがあります。


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